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あか毛和牛の肉質は「脂肪が適度で、うま味成分を含むタンパク質が豊富」
あか毛和牛の肉質の特徴が、余分な脂肪を含まない適度な霜降りと、うま味成分を含むタンパク質が豊富な赤身にあります。脂肪交雑の量の基準であるBMS(牛脂肪交雑基準)の平均値を見ると、黒毛和牛が「5.7」と脂肪交雑がやや多いとされる数値であることに対して、あか毛和牛は「3.2」と標準にあたる数値であることから、脂肪分が適度なことがわかります。
脂肪が適度で、うま味成分を豊富に含むから「ヘルシーでおいしい」。そんなあか毛和牛は現代人の嗜好にぴったりの牛肉なのです。
日本人の3人に1人は「霜降りが多い牛肉」を好まない!
日本人が牛肉に求めるおいしさとは何でしょうか。首都圏、関西圏、熊本県、北海道で調査を行った結果、多くの人が「肉本来のうま味が強い」「肉汁が多い」「肉がやわらかい」をあげました。 そして赤身と脂身の嗜好が拮抗しているなかで、特に注目を引く結果が「霜降りが少ない肉を食べたい」と答えた人が3人に1人にのぼったことでした。日本では霜降りが高級牛肉の条件とされていますが、「霜降りが少ない牛肉を食べたい」と思う人は36%に達し、霜降りが多い牛肉を「とても食べたい(TOP1)」と答えた人は約10%にとどまりました。
─調査概要─ [実施主体:全日本あか毛和牛協会]
- ・調査対象:20~60代の男女2,200名
- ・調査地域:首都圏(800名)、関西圏(600名)、熊本県(400名)、北海道(400名)
- ・調査手法:インターネット調査
- ・実施日時:2009年2月
あか毛和牛を健康に育む「粗飼料」と「放牧」
あか毛和牛を健康に育むポイントの一つ目が、草食動物の牛に適した牧草や野草など「粗飼料」をたくさん与えることです。 粗飼料に含まれている食物繊維は、牛の消化管を健全に保つために重要となり、内臓が丈夫に育ちます。また天然のビタミンもたっぷり摂取することができます。
そして二つ目のポイントが「放牧」です。 子牛時に母乳を与えながら親子放牧を行うと、免疫力がつき病気になりにくくなり、肥育時の放牧により健康の度合いがさらに高まるのです。
下図の「植物由来の栄養成分」を見ると、粗飼料を多給することで、植物由来のビタミン類、および牧草に含まれているn-3系不飽和脂肪酸の割合が増加していることがわかります。 また「ロース芯における機能性成分」では、機能性成分が粗飼料を多給した牛で上昇し、加えて放牧を行うと、さらに増加していることがわかります。 この理由は、粗飼料とそれに加えて放牧を行うことで、あか毛和牛の健康が増進した結果、牛が自分自身の健康を保つ機能性成分を豊富に生合成できたためと考えられます。
粗飼料と放牧の組み合わせで、うま味が増加する可能性が示唆された
あか毛和牛を健康に育てることと、おいしさの関係を明らかにするために、うま味成分の含量を調べました。
なお、うま味成分であるイノシン酸と遊離アミノ酸を組み合わせと、うま味が相乗的に高まるため、そのふたつの平均値について調べました。
その結果、粗飼料を多給した牛では、うま味成分が約6%上昇し、うま味が増加する可能性が示唆されました。