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あか毛和牛には「熊本系」と「高知系」の2つの種類がある
あか毛和牛には熊本生まれの「熊本系」と、高知生まれの「高知系」の2種類があります。これらは同じ「褐毛和種」ですが、外見から異なり、高知系が鼻や角が黒いことに対し、熊本系は白く、高知系より一回り体格が大きいという違いがあります。同じ品種にもかかわらず違いがある理由は、このふたつはもともと似て異なる牛であったためです
[右写真参照]。
熊本系は古くから飼育されていた牛で、朝鮮半島にルーツを持つ阿蘇牛、矢部牛、球磨牛などにシンメンタール種を交配した雑種を改良したものです。一方、高知系は明治時代に輸入された朝鮮牛とシンメンタール種の雑種を改良したものです。また熊本と高知の間に交流はなく、別々に改良が進められましたが、1944(昭和19)年に「褐毛和種」として一括りにされました。このような背景から、正式名称は「褐毛和種熊本系」と「褐毛和種高知系」に区別されています。
北海道にまで広がった「熊本系」と、地元での生産が続く「高知系」
あか毛和牛の生産地は、「熊本系」が熊本から九州、四国、そして東北、北海道にまで広がり、各地で地元に愛される和牛として育てられています。
熊本系の原産地、熊本県では「くまもとあか牛」が育てられているほか、四国の徳島県では「すだち牛」が生産されています。
また北海道では「はこだて和牛」「いけだ牛」が生産されているほか、2011年には「神内和牛あか」の販売がはじまる予定です。
なお、もうひとつの「高知系」は、原産地である高知県で「土佐あかうし」として生産されています。